はじめに
「夜中に突然、ふくらはぎがつって飛び起きた」――そんな経験はありませんか?
このような症状は、医学的には**有痛性筋攣縮(ゆうつうせいきんれんしゅく)**と呼ばれます。
多くの人が経験するこの現象について、原因・対処法・予防法をリハビリの視点から詳しくご紹介します。
有痛性筋攣縮とは?
有痛性筋攣縮とは、筋肉が突然不随意に収縮して強い痛みを伴う状態のことです。
一般的には「足がつる」と表現され、特にふくらはぎ(腓腹筋)や足の裏、太ももに起こりやすいです。

よく見られる場面
• 夜間・就寝中に突然起こる
• 運動後、特に水分不足の状態で発生
• 高齢者や妊婦さんに多い
• 長時間の同じ姿勢(例:椅子に座り続ける、立ちっぱなし)
原因
1. 筋肉疲労
運動や長時間の活動により、筋肉に乳酸などの代謝産物が蓄積され、筋肉の興奮性が増します。
2. 水分・電解質不足
ナトリウム・カリウム・マグネシウムなどのミネラルバランスが崩れると、神経や筋肉の働きに影響します。
3. 血行不良
冷えや圧迫、長時間同じ姿勢によって血流が悪くなり、筋肉に十分な酸素や栄養が届かなくなります。
4. 神経系の変化
加齢や疾患(糖尿病、腰椎疾患など)により、筋肉をコントロールする神経伝達が乱れることがあります。
その場での対処法
• ストレッチ
つっている筋肉をゆっくり伸ばすことが最も効果的です。
例:ふくらはぎがつった場合、膝を伸ばした状態で足先を自分の方に引くようにします。
• 軽くマッサージ
筋肉をやさしくもみほぐして血流を促します。
• 温める
温かいタオルやカイロで温めると緊張が緩和されます。
対処法
1. 水分とミネラルの補給
日中こまめに水を飲み、特に汗をかいた日はミネラルの補給も意識しましょう。
2. ストレッチの習慣化
就寝前にふくらはぎや太ももを伸ばすストレッチをすると予防になります。
3. 冷え対策
レッグウォーマーや靴下でふくらはぎを温めておくのも効果的です。
4. 適度な運動
筋力を維持し、血流を良くすることで、つりにくい身体をつくります。
リハビリ職の視点から
高齢者の方で頻繁に足がつる方は、体のバランスや筋肉の柔軟性の低下、姿勢の影響なども考慮する必要があります。
訪問リハビリでは、ストレッチや筋トレ指導、生活環境の工夫などを通じて、再発予防や身体機能の改善を支援しています。
まとめ
有痛性筋攣縮は、誰にでも起こり得る不快な症状ですが、正しい対処と予防で軽減することが可能です。
慢性的に足がつる方は、医師やリハビリ専門職に相談してみましょう。
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