「健康のために歩きましょう」とよく言われますが、実際にどれくらい歩けばいいの?
どんな速さで?何回くらい?――と疑問に思ったことはありませんか?
この記事では、介護予防の観点から「効果的なウォーキング量」について、信頼できる研究やガイドラインをもとに解説します。
なぜウォーキングが介護予防に効果的なの?
高齢になると、筋力やバランス能力が低下し、「フレイル(虚弱)」や「要介護状態」へと進行しやすくなります。
ウォーキングには以下のような効果があります
- 下肢筋力・バランス能力の維持・改善
- 認知機能の維持(脳への血流増加)
- 生活習慣病の予防(高血圧・糖尿病など)
- うつや不安の軽減
つまり、「転倒予防」「介護予防」「健康寿命の延伸」に直結する、誰でも取り組みやすい運動なんです。
理想的なウォーキング量は?
厚生労働省や国内外の研究から導き出された、介護予防に適したウォーキングの「距離・スピード・頻度」は以下のとおりです。
✅ 距離・歩数:
**1日 6,000~8,000歩(約4~6km)**が目安です。
- 特に高齢者の場合、1日6,000歩程度で生活機能の維持に有効であるという研究結果があります(東京都健康長寿医療センター研究所など)。
- 体力や既往歴に応じて、まずは3,000歩からのスタートでもOK!
✅ スピード:
**やや速歩き(中等度の運動強度)**が理想です。
- 目安としては、**息が弾む程度(会話はできるが歌は難しい)**のスピード。
- 厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準(2013)」では、中強度の身体活動として歩行速度は約4~6km/hが推奨されています。
✅ 頻度:
週5回以上が理想。最低でも週3回以上継続しましょう。
- 「運動は習慣化」が大切。1日おきでも効果があります。
- 雨の日や体調がすぐれない日は「屋内歩行」や「踏み台昇降」などでも代用可能です。
エビデンス紹介
- 厚生労働省(2013):「健康づくりのための身体活動基準」
→ 週に150分以上の中等度身体活動(=ウォーキング)を推奨。 - 東京都健康長寿医療センター(2015):「健康長寿のための歩数基準」
→ 高齢者の介護予防には1日6,000~8,000歩が有効と報告。 - WHO(2020):「身体活動と座位行動に関するガイドライン」
→ 65歳以上でも週150~300分の有酸素運動が推奨。
続けるコツ:無理せず、楽しく
継続こそが介護予防のカギです。おすすめの工夫:
- お気に入りの音楽やラジオを聞きながら
- ウォーキング仲間とおしゃべりしながら
- 景色の変化を楽しめるコースを選ぶ
- 歩数計アプリやスマートウォッチで見える化
まとめ
項目 | 推奨内容 |
---|---|
距離(歩数) | 1日6,000~8,000歩(4~6km) |
スピード | やや速め(4~6km/h) |
頻度 | 週3~5回以上(できれば毎日) |
ウォーキングは特別な道具も準備もいらない、最も手軽な介護予防です。
「今日も少し歩こうかな」そんな小さな一歩が、未来の自分を守る力になります。

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