本記事では、セラピスト(PT,OT,ST)をはじめ、医療現場で働かれている全職種の方にもぜひ読んでほしいおすすめ本を紹介したいと思います。
心理学や統計データなど、臨床現場で応用できる知見などが多く含まれている本を抜粋して紹介します。
医療職の人に読んでほしいおすすめ本
1.医療現場の行動経済学-すれ違う医者と患者-(著者:大竹文雄、平井啓)
臨床において、「利用者様のことを思って言ってるのに…」「なんで理解してくれないんだろう?」「物分かりの悪い人だな」という悩みを経験したことがある方は少なくないのではないのでしょうか。
なぜそのようなことが起きるかを、行動経済学を用いて分かりやすく解説されている一冊。
医療現場は、意思決定の連続です。どの治療法を選ぶか・どの薬を飲むか・どんなリハビリを行うか・退院時期はどうするか、退院先はどこにするか、ADL自立度はどうするかetc…
このような選択場面における「ヒトの意思決定のくせ」が非常に分かりやすく記載されており、臨床場面に応用できる知見が盛り沢山です。
後輩指導や、チーム・組織のマネージメントを行う立場にある方、心理学に興味がある方にもぜひ読んでほしい一冊。
2.ボクはやっと認知症のことがわかった-自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたいこと遺言-(著者:長谷川和夫)
『認知症』の名付け親でもあり、現在認知症の評価バッテリーとして最も使用されている長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)を開発した長谷川和夫先生の著書。
認知症医療だけではなくケアの第一人者でもある長谷川先生が、自身が認知症になったことを公言していたことをご存知でしょうか。
何百・何千人と認知症の方を診てきた専門医としての知見と、実際に認知症になり感じたことが解説されている本書は比類のない。
認知症の方と関わることの多い医療従事者は必ずと言っていいほど読んでほしい一冊。
3.失敗の科学-失敗から学習する組織、学習できない組織-(著者:マシュー・サイド)
医療業界を初め、航空業界やグローバル企業などあらゆる業界での様々な『失敗』を、事例を交えつつ論理的に解説されている一冊。
本書では医療業界が「失敗から学習できない組織」として取り上げられており、特に医療業界と航空業界の比較は非常に興味深い。
が、医療従事者の方からすると少し耳の痛くなるような内容となっています(笑)。
最も『失敗』が許されないと言っていい業界であるからこそ、失敗のメカニズム、失敗から学ぶ大切さ、その方法論が記されている本書は一読の価値ありです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
気になった本はありましたか?
本記事が臨床現場で奮闘している一人でも多くのセラピストの助けになれば幸いです。
それではまた。
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