認知症とは?症状と対応方法・リハビリについて解説

脳卒中リハビリ

認知症は、年齢とともに脳の機能が低下し、

記憶や思考、判断力、行動に支障が出る進行性の疾患の総称です。

アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症、前頭側頭型認知症など、

さまざまな種類が存在し、それぞれ異なる病態や症状が現れます。

認知症の発症は加齢が大きなリスク要因ですが、

糖尿病、高血圧、喫煙、肥満、運動不足など生活習慣も影響を及ぼすことが知られています。

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認知症の症状は、記憶障害や判断力の低下といった「中核症状」と、

周辺環境や感情に影響を受けやすい「周辺症状(BPSD)」に分かれます。

中核症状

記憶障害:短期記憶が最初に低下し、次第に過去の記憶も曖昧になる。

判断力の低下:物事の選択や判断が難しくなり、日常生活でのミスが増える。

実行機能の障害:段取りを組む、計画を立てるなどが難しくなる。

言語障害:言葉が出にくくなる、言葉の意味が分からなくなる。

周辺症状(BPSD)

徘徊:目的なく歩き回る。

興奮や攻撃性:物事に対して過敏に反応する。

妄想や幻覚:例えば「物が盗まれた」といった被害妄想など。

抑うつ:意欲が低下し、うつ状態に陥る。

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認知症への対応には、以下のようなアプローチが効果的です。

環境整備

認知症の方が混乱しにくく、安心して生活できるような環境を整えることが大切です。

家具の配置を固定し、

視覚的なサインを用いて場所や物の位置をわかりやすくするなどの工夫が求められます。

コミュニケーションの工夫

しっかりとアイコンタクトをとり、優しくゆっくりと話すことで、

認知症の方が話を理解しやすくなります。

また、強い指摘や否定は避け、相手の気持ちに寄り添うことが重要です。

周辺症状(BPSD)に対する対応には、相手の気持ちや不安を理解することが欠かせません。

たとえば、徘徊が見られる場合、その背景にある原因(不安や居場所の混乱)を探り、

本人が落ち着ける環境を提供します。

薬物療法もありますが、副作用のリスクもあるため、医師と相談して慎重に行います。

認知症のリハビリテーションでは、残された認知機能や日常生活能力を維持し、

QOL(生活の質)を高めることを目標とします。

リハビリの内容は、個々の症状や生活状況に応じて異なりますが、以下のような方法が一般的です。

1. 認知機能訓練

認知機能の低下を遅らせるために、パズル、計算、読み書きなどの活動が用いられます。

これにより、脳を刺激し、認知機能の維持を図ります。

2. 生活動作訓練(ADL訓練)

認知症の方が自立して日常生活を送れるように、

食事や着替え、入浴などの基本的な生活動作を支援する訓練が行われます。

具体的には、段取りを支援するための「手順表」を作成したり、動作を簡略化したりする方法が用いられます。

3. 運動療法

認知症の進行を遅らせるためには、適度な運動が有効です。

ウォーキングやストレッチ、筋力トレーニングなどは、

身体機能の維持だけでなく、気分転換やリフレッシュ効果も期待できます。

また、グループでの運動療法は、社会性を保つための機会にもなります。

4. 回想法

過去の経験や思い出を振り返る「回想法」は、自己肯定感を高める効果が期待されます。

昔の写真や音楽を用いることで、記憶を引き出し、コミュニケーションを図ることができます。

5. 作業療法

物をつくる、料理をするなど、実生活に即した活動を行うことで、

認知症の方が「役割」や「自分の価値」を感じることができるよう支援します。

達成感や自己効力感が高まり、認知症による精神的な症状の緩和に役立つとされています。

認知症は進行性で治癒が難しい病気ですが、

適切な対応やリハビリテーションを通じて、

QOLを向上させたり、症状の進行を遅らせたりすることが可能です。

介護者や周囲の理解、環境整備、本人の状態に応じたリハビリプランを通じ、

認知症の方が自分らしい生活を送れるよう支援することが重要です。

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